スーパークリエイティブコアという分野に詳しくなりたい!
第1弾は生物学でしたが、第2弾は社会学についてざっくり勉強しました!
読んだ本
社会学とは
『社会』というものは実在しない。
例えば『東京大学本郷キャンパス』は物理的に存在するが、『東京大学』という社会は物理的には存在しない。
しかも『社会』というものは所属する個人の意思と違う行動をとるなど、複雑怪奇なものである。
そういう複雑で実体がない『社会』を、分かりやすいモデルを使って評価するのが『社会学』である。
(電子の動きをいちいち考えるのではなく、オームの法則というモデルを使って、電流を考えるようなものである)
モデルには色々なものがあり、社会学を学ぶことで視点を増やすことができる。
例えば小学校~高校の『社会科』では
- 時間軸から社会を見る ⇒ 歴史
- 位置関係から社会を見る ⇒ 地理
- 仕事や企業から社会を見る ⇒ 経済
- 規範・哲学・宗教から社会を見る ⇒ 倫理
- 自国と他国の関係から社会を見る ⇒ 国際・日本史/世界史
- 社会を(個人たちが)どう変えようとしたか見る ⇒ 政治・法律・公民
といった具合である。
つまり『794年に平安京が成立した』『三重県の県庁所在地は津』といったことは些事であり、
内容の分類の仕方(視点)にその本質があると言える。
社会性とは
- 幼児はまず、両親などの『重要な他者』から自分の中に『一般的な他者(ステレオタイプ)』を作り、その役割を演じることで社会性を獲得する。
(年長さんなんだからお行儀良くしなきゃ、といったものである) - 社会は日常的に『客』『店員』『上司』『息子の嫁』のような役割とそれに応じた利益を個人に与える。
しかし個人はそれを逸脱することもできるし、フリーライドすることもできる。 - この役割(me)と本来の自己(I)、そして他人が持っているであろう自分のイメージ(mi)が乖離すると、不安が生じる。
特にこのIとmiが乖離しすぎ、本心を出せなくなって狂ってしまった男の話が『人間失格(太宰治)』である。
- またこのステレオタイプそのものの人はヒエラルキーの頂点として、『共犯者』に羨望される。
『共犯者』は1つ下の階層でステレオタイプを支持して権威を維持すると共に、ステレオタイプに準拠した振る舞いをして自らを上の階層に上げようとする。
『従属者』はステレオタイプによって否定され、虐げられて最も下の階層に位置する。
例えばファッションであれば、モデルやデザイナーなどのファッションリーダーが頂点におり、それに憧れる共犯者が真似をして、ダサい恰好をした従属者は虐げられる。
近年活発になっているポリティカル・コレクトネスの本質は『ステレオタイプからの解放』であるが、目に付くのは『新たなステレオタイプの構築』となってしまっている間違った行動のものばかりである。
社会システムとは
社会システムは、4つのサブシステムからなる。
獲得サブシステム(生産・経済)、動員サブシステム(政治)、調整サブシステム(法律)、維持サブシステム(再生産・家庭)である。
近代以前は家族総出で農民をやっているような、再生産と生産が未分化な社会(ゲマインシャフト)であったが、近代以降は家庭から企業へ働きに出る、再生産と生産が分化した社会(ゲゼルシャフト)になった。
これにより生産活動が科学的・効率的になった(フォーディズム)ことで、賃金増⇒貯蓄⇒購買⇒賃金増…という好循環が生まれ、社会が豊かになった。
一方で個人は複数のコミュニティで別々の役割を与えられるようになったため、I-me-miの一貫性を保つのが難しくなっている。
また、共働きのように生産活動(企業)が再生産活動(家庭)を植民地のようにこき使っていることで、少子化・過疎化・過労死などの社会問題が増大しているという指摘もある。
社会の歴史的成長
- 成長人類の起こりは『狩猟社会』であった。
獲物が多い地域へ移動し、狩りを行い、狩り尽くしたらまた移動するという集団である。
このため移動に耐えられない高齢者など、足手まといは捨てられることもあった。 - 金属器の発明・天文学・農学の進展によって定住できるようになり、『農業社会』となった。
しかしこれにより、地主と小作人の身分が世襲的に固定され、小作人が困窮するようになった。 - やがて蒸気機関が誕生すると、ゲマインシャフトからゲゼルシャフトへと変化した『工業社会』に変化した。
これにより土地に縛られた身分制度は幾らか緩和されたものの、黒人などが最下層へと固定され、その居住地がスラム化することとなった。 - 近年はコンピュータ通信の発明によりグローバル化した『情報社会』と言われている。
しかし現在もアンダークラスの生活困窮に加えて、コンピュータ弱者が阻害される問題(デジタル・ディバイド)が起こっている。 - ICT、IoT、AIを今後活用することで、人類は次なる社会『Society 5.0』に進むことを目指している。
その次の社会で虐げられる存在にならないよう、個々人は情報を収集して成長していかなければならない。
社会の地理的成長
社会は周辺から人口を吸収して大きくなる(都市化)。
人口密度の高くなった都市内では、トラブルを避けるために赤の他人に『注目していない』ことを示す必要があり、その結果物理的よりも心理的コミュニティが発達する。
すると思考や知識が近い人とのコミュニケーションが増えると共に、相反するコミュニティとの対立が生じて、極端な思想になりやすい。
(これはオンラインサロンや反ワクチンのコミュニティがどんどん非科学的・過激な思想に変化していったことを思い出すと分かりやすい)
また逆説的に、親しくない関係性の個人との情報交換の方が、新しい知見を得やすいという状態になるのも面白い所である。
最終的にはコミュニティ同士の共有部が広がり、ソサエティに同化する(巨大な1コミュニティとなる)と言われているが、人類はまだそこには達していないようだ。
日本の雇用
- 日本の雇用は『メンバーシップ型』、相対する概念は『ジョブ型』と言われる。
- 『ジョブ型』では企業が行う仕事に必要な人材を雇う。
そこで即戦力である中途採用や移民採用の割合が多くなる。
また、その企業の仕事が一部なくなった場合にはそれを担当していた人材は解雇される。 - 一方で『メンバーシップ型』では、若者を迎え入れて業務ローテーションを経験させ、その企業の業務が何でもできるように育てる。
このため企業の仕事が一部なくなった場合は、個人を転属させて全体の仕事量を減らすことで対応できる。
これにより終身雇用を保つことができるが、個人の能力は余り重要視しないため、年齢に応じた給与体系(年功序列)となりやすい。
またメンバーシップ型の場合、若くて全体的に能力が高そうな人を採用するのが最適解であるため、『就活』を発生させる原因となっている。
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