Pythonを商用利用する可能性が出てきたので、利用規定(License)について調べました!
雑な結論
MIT、BSD、Apacheなら、著作権・ライセンス記載すればどんな利用もOK!
OSSの分類
PythonのLibraryなどは多くがオープンソースライセンスで公開されていますが、
このオープンソースライセンスには、大きく分けて3つの分類があります。
非コピーレフトと、準コピーレフト・コピーレフトです。
準コピーレフト・コピーレフトのソフトウェアを使用する場合は、
更なる改変ができるようにする必要があります(≒ソースコードを公開する義務が発生)。
最近だとメダロットクラシックスプラスがmGBAを利用していましたが、
mGBAがMozilla Public License(準コピーレフト)であることが
発売後に指摘され、ソースコードを配布することになりました。
2021年現在でメジャーなライセンスを分類すると以下の通り。
非コピーレフト…ソースコードの公開義務なし
- MIT License
- 3条項 BSD License
- 2条項 BSD License
- Apache License 2.0
- Zope Public License (ZPL)
- Historical Permission Notice and Disclaimer (HPND)
準コピーレフト…改変したソースコードの公開義務あり
- Mozilla Public License (MPL)
- GNU Lesser General Public License (LGPL)
コピーレフト…ソースコードの公開義務あり
- Sleepycat License
- The TMate Open Source License
- GNU General Public License (GPL)
- GNU Affero General Public License (AGPL)
非コピーレフトのそれぞれ
したがってオープンソースソフトウェアを商用利用する場合、
非コピーレフトソフトウェアを使用すれば、ソースコードの公開義務を回避できます。
ただし著作権・ライセンス表示は必要なので頒布時は注意。
メジャーな非コピーレフトライセンスの要約と
著作権・ライセンス記載例を以下に示しますが、
できれば一度原文を読むのがオススメ!
MIT License
- 無償かつ無制限に使用可能(商用利用含む)。
- 保証なし。製作者は一切の責任を負わない。
- ソースコードの公開義務なし。
- 著作権表示とライセンスを、ソースコードやライセンス表示用の別ファイルなどに記載すること。
(記載例)
This software includes matpublisher
Copyright (c) 1900-2021 matpublisher authors
https://cadmi-diary.net/
Released under the MIT license
https://opensource.org/licenses/mit-license.php
2条項 BSD License
- 無償かつ無制限に使用可能(商用利用含む)。
- 保証なし。製作者は一切の責任を負わない。
- ソースコードの公開義務なし。
- 著作権表示、ライセンス、無保証である旨をソフトウェアの重要部分(ヘッダ部など)に記載すること。
(記載例)
This software includes matpublisher
Copyright (c) 1900-2021 matpublisher authors
https://cadmi-diary.net/
Released under the BSD license
https://opensource.org/licenses/BSD-2-Clause
3条項 BSD License
- 無償かつ無制限に使用可能(商用利用含む)。
- 保証なし。製作者は一切の責任を負わない。
- ソースコードの公開義務なし。
- 著作権表示、ライセンス、無保証である旨をソフトウェアの重要部分(ヘッダ部など)に記載すること。
- 開発者または他の利用者の名前を許可なく使用してはならない。
(記載例)
This software includes matpublisher
Copyright (c) 1900-2021 matpublisher authors
https://cadmi-diary.net/
Released under the BSD license
https://opensource.org/licenses/BSD-3-Clause
Apache License 2.0
- 無償かつ無制限に使用可能(商用利用含む)。
- 保証なし。製作者は一切の責任を負わない。
- ソースコードの公開義務なし。
- Apache License のコードが利用されている旨を記載すること。
- 特許権が付与されるが、それを基に訴訟を起こすことはできない。
(記載例)
This software includes the work that is distributed in the Apache License 2.0.
https://www.apache.org/licenses/LICENSE-2.0
環境確認
自分の環境にインストールしてあるライブラリのライセンスは、
pip-licensesというライブラリを使うと簡単にチェックできます。
ということで、現在の僕の環境では『certifi』と『chardet』以外は
非コピーレフトであることが明確になりました!
権利権利とうるさい世の中ですが、忘れた頃に刺されそうなのでこういうのは定期的にチェックしていかないとね。
2022年の最新情報で補足。
・年号は『公開年』だけが書いてあればよい。
・『 All rights reserved.』はかつては必要だったが現代では記載しなくてよい。
なのでミニマルに書きたければ以下のように書く。
(c) 1900 Matpublisher Authors
http://cadmi-diary.net/
Released under the MIT license
https://opensource.org/licenses/mit-license.php