
AutoCAD自動化
AutoCADには、『コマンドライン』という機能があります。
これを利用して、力技で効率化する方法をご紹介します。
準備
まず画面に『コマンドライン』が表示されていることを確認します。
されていない場合は、Ctrl + 9 キーを同時押しして表示させてください。

コマンドラインでは描画作業をボタンクリックではなくコマンド入力で行うことができます。
準備として、まずIMEを半角英数字モードにしましょう。
ひとつずつ打ってみる
それではまず、ポリラインを例に挙げて紹介いたします。
コマンドラインに『pl』と打ち込んでEnterを押すと、ポリラインの描画が始まります。

ポリラインの開始座標を聞かれますので、更にコマンドラインに『-100,-100』と入力して Enter を押すと、
-100,-100にポリラインの開始点が描画されます。
(※マウスカーソルのそばのボックスではなく、下部のコマンドラインに入力してください!)

続けてコマンドラインに『100,-100』と入力して Enter 、
コマンドラインに『100,100』と入力して Enter 、
コマンドラインに『-100,100』と入力して Enter をやってみましょう。正方形が描けます。

さて、これで座標は入力し終わりましたから、ポリラインを閉じて完成します。
ポリラインを閉じるにはコマンドラインに『c』を入力してEnterです。

さあ、これでキーボード操作のみで線を引くことに成功しました!
まとめて打ってみる
これまでは『入力終了』をEnterで行ってきましたが、
実は半角スペースを入力してもEnterとほぼ同じ効果が得られます。
(『文字』としての入力終了時など、一部Enter(改行コード)が必要な場合もあります)
例えば、『pl -100,-100 100,-100 100,100 -100,100 c 』をコピーしてコマンドラインにペーストすると、
これまでで描いた正方形と同じものが描けます。
(※cの後ろの半角スペースも忘れずコピーしてください!)
つまり、座標を入力してこのようなコマンドラインの形を出力するエクセルでも作れば、
手作業でAutoCAD作図する手間が省けるのです!
各種コマンド
最後に、コマンドラインの簡単なリファレンスを記します。
見やすくするため半角スペースは□で、改行コードは*で記載しますから
書き換えて使ってください。
- ポリライン
pl□X座標,Y座標□X座標,Y座標□ … □X座標,Y座標□c□ - 線分
l□X座標,Y座標□X座標,Y座標□ - 円
c□中心のX座標,Y座標□直径□ - 楕円弧
_ellipse□_a□軸のX座標,Y座標□軸のX座標,Y座標□軸の距離□始点のX座標,Y座標□終点のX座標,Y座標□ - 注釈(引出線)
leader□矢印のX座標,Y座標□注釈のX座標,Y座標□a□注釈内容** - 寸法線
dimlinear□測定端X座標,Y座標□測定端X座標,Y座標□v(またはh、水平か垂直か)□文字のX座標,Y座標□ - 描画色変更
-color□1(~9等のカラーインデックス番号)□ - 描画線種変更
-linetype□s□HIDDEN(他、使いたい線種名)* - レイヤー移動
-LAYER□s□レイヤー名* - シート移動
SHEET□s□Model(またはレイアウト1等)□ - 全消去
ERASE*ALL* - 自動ズーム
ZOOM_E□